本書が読者として想定しているのは、うつ病に関して多少とも何らかの関心のある方々、または何らかのきっかけで関心を持つようになった方々である。
なお、著者はサラリーマン生活を通じてうつを体験した。従って下図に示す想定読者層も含めて、本書全体の内容はサラリーマンの視点を前提とした構成になっている。予めご了承願いたい。
もしサラリーマン以外の立場でのうつ病体験に対してご参考になさる場合は、内容を適宜読み替えながらお読みいただきたい。
さて上図の網掛け部分で示した通り、想定している読者層の中には「①本人」のうちの一部、それから「②家族・親族」と「③職場の関係者」が含まれる。
想定している読者層:
① 本人
ⅱ健常者(うつ病に対する関心有り) ←「ⅰ健常者(うつ病に対する関心無し)」は除く
ⅲ罹患者
ⅳ体験者
② 家族・親族
③ 職場の関係者
以下に各々について述べる。
① 本人
※なお「ⅱ健常者(うつ病に対する関心有り)」と「ⅲ罹患者」は矢印で繋げてあるが、これは「うつ病に関心を持つようになった健常者は必ず発症する」という意味ではない。後に詳しく述べるが、うつ病になるかならないかの事前予測は不可能である。
従って「ⅱ健常者(うつ病に対する関心有り)」と「ⅲ罹患者」との間の矢印は、破線で示してある。「ⅰ健常者(うつ病に対する関心無し)」と「ⅲ罹患者」を繋いでいる矢印も同様である。
② 家族・親族
③ 職場の関係者
このような方々にとって、少しでもヒントになれば幸いである。また、これまでうつ病に関心のなかった方々が、本書をきっかけにうつ病に対して関心を持つようになって下されば、もちろんこれまた幸いである。
なお、既に「おことわり」で述べたように本書は個人の感想をまとめたものである。
これで十分な内容だとも思っていないし、この内容がすべて正しいとも思っていない。だから読み手の方々には、内容に関して過不足や異論をお感じになることもあろうかと思う。
その場合は、本書を出発点にそれぞれで補足修正いただき、ご自分が上手に「うつから脱け出せる道」を発見していただければと思う。本書がその一助になれば幸いである。