1)「風邪が治らない」のじゃなくて「うつ」でした(すごろく図①~④)

(うつの「はじまり」)

  • さてそれではこれから「すごろく図」の各段階について、数字順の説明に入る。
  • 何事も先ず始まりがある。ウツの場合は、その始まりとは「発症」である。
  • それでは、うつの始まりから説明してみよう。
     
  • いつのころからか「だるい、疲れる、つらい、朝がなかなか起きられない」などの症状が出る(すごろく図①から②)。
  • だんだん遅刻や半休や突発休などを繰り返すようになる(すごろく図③)。
     
  • とうとう有給休暇を使い果たして欠勤扱いが始まる。
    「こりゃ、いかん」とさすがに音を上げて、医師の診断を受けて診断書を貰い、休職が始まることになる(すごろく図④)。

  • なお中には③を経由せず、早々に降参して④へ移る方もいらっしゃることだろう。
    従ってすごろく図には、②から④へ直結する矢印も並列して書いてある。


【補足】うつの始まり(著者の場合):仮面うつ病


  • 著者の場合、うつ病の「すごろく廻り」はどのように始まったのか。それは以下のようだった。
     
  • 毎年秋口と春先に盛大な風邪をひく。おまけに秋口の風邪の後、春先までの半年間も断続的に風邪をひく。
    一か月のうち二週間は風邪をひいている。通勤しながら、内科か耳鼻咽喉科に常時通い詰めることになってしまう。
  • 従って、市販の風邪薬や頭痛薬も手放せない。内科か耳鼻咽喉科に行くゆとりのない時に、いつでも飲めるように、自宅にもオフィスの引き出しにも鞄にも常時入れて歩いていた。
     
  • だが寒さの始まる秋口に風邪をひくのは未だわかるが、暖かくなってくる春先にも風邪をひくのが分からない。季節の変わり目だとは言うものの、いくら気を付けてもダメだった。

  • それに一か月のうち半分は風邪をひいているのもおかしい。おまけにそれを何年も繰り返している。
  • いくらウイルスや菌の種類が違うといっても、これでは免疫機構が全然機能していないことになる。いったんひいた風邪のウイルスや菌には、その種類に応じた抗体が生成されるから、二度目以降は軽くて済むはずなのだから。
     
  • その時偶然読んだのがこの新聞記事である(1分間人間ドック「仮面うつ病、精神的症状見えず」日本経済新聞2006年2月5日。日付や紙名の書き込みは著者の筆跡)。
  • まるで自分のことが書いてあるような内容に驚いてしまった。 
  • つまり風邪だと思っていたのは、実はうつ病の身体症状の表れだったのである。
    これではいくら内科や耳鼻咽喉科に通っても、治らないのは当然である。
     
  • 慌てて近所の心療内科に駆け込んで、とにもかくにも投薬療法を開始した。
    これが著者の「うつ病すごろく廻り」の始まりである。
     
  • ちなみに投薬は開始したものの、休職には至らずそのまま通勤は続け、勤務は通常通りこなしていた。
  • だが結局その数年後には、すごろく図④の休職に至ることになる。これについては、おって述べる。

【この補足の項、終わり】