4)「基準値」の客観化

「物量」の「基準値」

  • 「物量値」の基準設定の場合は、比較的簡単だ。前述の物量基準の指標(パラメータ)に関して、(大規模な)統計調査を実施すればよい。
    調査結果の分布特性に応じて、平均値、中央値、最頻値などのうちから適切なものを選択すればよい。そんな想像をしてちょっと戴きたい。
  • この基準値と自分の物量値を比較すれば、自分の現状が基準値に対してプラスなのかマイナスなのか、判定できる。
  • なおこの基準値は、自分の帰属する母集団ごとに代わる。帰属母集団は、本人の属性ごとに変わるからだ。
    その属性とは、年齢、性別、居住地、職業、職種、業界、業態、勤務形態、家族形態(独身、既婚)、などだ。
    その結果、本人が知りたい母集団をどの属性によって定義するのかによって、プラスなのかマイナスなのかも変わる。
  • 例えば、

➢ 都市部で単身生活している三十代としては、基準値以上の物量値を達成している。
➢ しかしこの業界のこの職種の男性サラリーマンとしては、まだまだ基準値以下でしかない。

 

などということになる。この点については後程再説する。

「満足度」の「基準値」

  • だが「満足度」の場合は、本来は自己申告の主観的評価でしかない。基準設定は一見困難に見える。
    だがこれも一種の客観化ができないことはない。

  • 物量値と同様に、(大規模な)アンケート調査などによって定量化を図るのだ。
    心理テストではないが、日常的な行動傾向や普段の心理兆候などについて設問し、それと同時に自己申告の満足度も回答してもらう。
  • この結果をもとに、平均値、中央値、最頻値などを用いて自己申告の満足度に関してアンケート調査の対象母集団に応じた基準値を算出する。
    もちろんこのアンケート調査は定期的に更新し、有効性を維持しておく。
    一方で、自己申告の満足度とアンケート設問への各回答内容との相関を算出しておく。

  • そうすれば以後は、たとえ満足度を自己申告しなくても、アンケート設問への各回答内容によって本人の感じている満足度が算出できる。
    それが基準値に対してプラスなのかマイナスなのかも、判定できる。
    アンケートに回答するだけで
    「アナタハ、人生ニ対シテ○○%ノ満足度ヲ感ジテイマス。コレハ同性同世代ノ人ニ比ベテ、○○ポイント高メデス」
    などと答えが出てくるわけだ。