4) 「うつ病すごろく」の読み方

  • うつの経過に関しては「良い悪いの波を繰り返しながら、少しづつ良くなっていく」などと言われる。
  • だが「これは単純な上下動の『振幅』ではなく、逆戻り(転回と逆行)も含んでいるのではないか」と考えたのが、このすごろく図のアイディアのきっかけである。

  • そこからアイディアを発展させた。日々の調子の変化ではなく、うつの治療中に本人が体験するであろう各段階を、分岐や転回や逆行などの各種経路で繋いでみることにした。
  • これによって「すごろく」様の図解を作ってみたわけである。

  • この「すごろく図解」により、人によって千差万別の経過や期間が整理できるし、「振出しに戻る」経路も入れることによって、再発の場合も図解上で整理できるものと思う。

 

  • 特に、現に療養中の患者本人は、回復への展望が見えない不透明感から「一体いつになったら自分は回復するのか」という焦燥感と絶望感に駆られていることと思う。「うつは治る病気です」とか「明けない夜はない」とか書いてある情報を読んでも「本当なのか」と半信半疑のことと思う。
  • この心境は、体験者ならお心当たりがあるところだと思う。
     
  • だが、すごろくには必ず「上がり」があるのだから、永遠にこのすごろくを廻るということはありえない。回復までの期間が長期化しても、それはすごろくの図内をぐるぐる廻っているのか、振出しに戻っているのかのどちらかである。
  • いずれにせよその経過は、この「すごろく図」内に経過は収まっているはずである。
  • また、たとえすごろくを何度も廻ってしまったとしても、大丈夫だ。なぜか。

  • 「窮すれば通ず」ではないが、自分の置かれた状況さえ最終的に正確に認識できれば、そこからの打開路を切り開く力を人間は必ず持っているから、である。「うつは治る」と言うのは、あながち単なる気休めではないのだ。