3)読み通す気力はありません

  • 今後の自分のうつの経過を予測するためには、入手した情報の中から、どれが自分にもっとも当てはまるのか、それを探さなければならない。
  • したがって「もっとも自分に近い」情報を探すということになる。だがそのためには、「近さ」の基準探しが必要になる。世代や年齢なのか、仕事の内容なのか、家族の状況なのか。

  • すると今度はそもそも「何が基準になるのか」を考えなければならない。上述のように本人の属性を基準にしていいのか、それとも病状次第なのか。その場合の基準は発症の契機なのか、試みた治療法なのか、治療に要している期間なのか。

  • そのためには、入手した情報を読破し理解して、自分の念頭で比較検討が可能になるよう、自己整理する必要がある。千差万別の情報の海の中で、謂わば「自分探し」が必要になるのだ。

 

  • だがうつ病患者にそんな気力が残っているはずがない。そもそもうつとは、気力を破壊する病気なのだ。
  • 従って必死になって情報収集するものの、集まった情報があまりにも千差万別なので、茫然自失の心境のことと思う。

  • 体験者ならお心当たりがあるものと思うが「そんな気力が残っているようだったら、うつで会社なんかそもそも休んではいない。とっくに職場に復帰していますよ」というのが、率直な心情だと思う。