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さて、これまで述べてきたような情報の氾濫に対しては、どうしたらいいのだろうか。
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この混沌状態は、何らかの理解モデルがないと整理できない。
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ところでうつ病に関する千差万別な情報の中で、一点だけ共通することがある。
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即ち、うつ病の経過には、必ず入口と出口があるということだ。集めた情報の中からうつの経過を読んでみると、その経過は人によって千差万別ではあるものの、「明けない夜はない」とか「うつは治る病気です」とか書いてある。
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つまり発症があれば寛解がある。入口があれば出口があるということだ。
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これは「すごろく」そっくりではないだろうか。
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すごろくにも、必ず入口と出口がある。つまり「振出し」と「上がり」である。そして振ったサイコロの目がどう出るのかによって、上がりに至るまでの経路は千差万別に変わってくる。
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ここで「すごろく」を理解モデルにして整理できないものかと、思いついた次第である。
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このモデルによって、うつの経過が人によって千差万別に変わってくることを整理できる。また本人の場合は、これまで自分がたどってきた経過の整理には使える。
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また、それまで入手した情報を当てはめてみて、他人の経過と自分のそれとを比較してみることも可能になるかもしれない。
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そうすることによって、今後の自分の経過がどうなるのかの具体的な予測は難しいものの、少なくともどのような経過があり得るのか予測する手掛かりにもなるだろう。