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例えば「ツレと貂々、うつの先生に会いに行く」を見てみよう(細川貂々・大野裕共著。朝日新聞出版。2011年)(注)。
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共著者の精神科医・大野裕氏は、ご承知の通り所謂「認知行動療法」の日本における第一人者と呼べる人である。母校の大学教授を経て、国立精神・神経医療研究センターで認知行動療法センター長を歴任している。
精神科医としては社会的に一定の評価を得ている専門家だと言えよう。
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その専門家として大野医師はこう言っている。
病気自体の「原因やしくみが完全に解明できてるわけではない」し、「薬の効果のあるなしはやってみないとわからない」し、うつ病とは結局何なのかは「はっきりわからない」のだと(前掲書p.19・p.48・p.18)。
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まさに「ないない尽くし」のネガティブ表現ばかりだが、もちろんここではそれを問題視しているわけではない。
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また、ネガティブな内容を明言していることも問題視しているわけでもない。逆に、このような内容が一般的には明言されていないことも、やはり問題視しているわけでもない。
(注)【表紙画像引用元:朝日新聞出版】http://publications.asahi.com/ecs/tool/cover_image/?image=15404.jpg)