7)復職は「ゴール」ではない(すごろく図⑱~㉗)(1)

 

復職してからが本番

  • 骨折の場合は、主治医から完治判定を貰って退院できれば、そのまま復職できる。だから復職が即ちゴールインである。
  • だがうつの場合は異なる。復職は「ゴール」ではない。寧ろ復職してからが本番である。

 

  • 前項で、うつからの回復は「変化した自分」の登場だと書いた。
  • だとすると、復職は再適応の過程だと言える。その「変化した自分」が、以前の職場の環境にどのように適応するのか、見極めなくてはいけないからだ。
  • そしてそれには一定の観察期間を要する。

 

動的負荷の環境

  • だが観察のために一定期間を要すると言っても、本人にかかる業務負荷が一定量のままでは再適応の可否は分からない。
    以前と同じように、業務負荷が変動しながら加わってくる環境でなければ分からない。

 

  • 復職当初に勤務軽減期間があるとしても、それは一定期間だけのことである。いずれにしろ通常業務を再開しなければならない。

  • そうなれば、以前と同じようにあらゆる動的負荷が殺到する。以前と同じく、それらを片っ端からバッタバッタと片づけられるようになっていて、はじめてゴールインと言えるのである。
     
  • ちなみに、復職した本人がどのようにして通常業務を再開するのかは、企業によって異なる。例えば一定期間の短縮勤務、残業免除、配置転換、担当職務の変更などの有無である。
     
  • また復職後のケア内容なども異なる。別途選任されるサポート担当者や上司や産業医などとの定期的な面談の有無、などである。
  • 各自のご勤務先に確認戴きたい。