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だがこれが驚くことに、図の通り正反対の意見が出てくるのだ。
(なお、図で「疾病の認識に対して」「a.肯定的な立場」とか「b.否定的な立場」としたのは、あくまで著者がここで仮に分類したものである。
このお二人の医師のどちらも、ご自身でそう称されている訳ではない。この点誤解の無いよう予め断りしておく)
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上記図の医師お二人とも、大学病院若しくは医系総合大学で要職に就かれているお立場だ。
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だから社会的には一定の評価を受けている精神科医だと言えよう。
おまけに実はお二人は、年次は別として同じ東京大学医学部卒業のご同窓なのだ(注)。
(注:張賢徳医師の経歴:帝京大学ウェブサイト
https://www.e-campus.gr.jp/staffinfo/public/staff/detail/639/112
(注:岩波明医師の経歴:岩波明「ビジネスマンの精神科」 講談社現代新書2009年のカバー袖より)
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しかしお二人のご意見は上記の通り殆ど正反対である。患者としては、いったいどうしたらよいのだろうか。
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だが、ちょっと待った。
専門家の意見でさえここまで食い違うのには、きっと何らかの理由があるのに違いない。
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従ってここでは、いきなり「どちらの意見が正しいのか」と右往左往するのではなく、その食い違いにはいったいどんな理由が隠れている可能性があるのか、先ず自分の頭でできるだけ考えてみることにする。