誰もが自問自答
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ここまでお読みになって、こう仰る方もいらっしゃるかもしれない。
「理屈は分かるんだけどなあ。だけどこれって、やっぱり自分の信じる価値観にすがって、なんとか自分をなだめすかそうということなのではないのか。謂わば自分を『騙し』て、無理矢理にでも自分を納得させようとしているだけ。そんなことなのではないのか」
と。
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その通りである。まさに仰る通りなのだ。
いや、そんなことを言っては驚かれてしまうかもしれない。これまでの内容からしたら、いきなり論旨が逆転しているように聞こえるかもしれないからだ。
「それじゃ結局、論旨が自家撞着しているのではないのか」
と。だが、こういうことだ。
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自己の信奉する人生モデルと価値観は、果たして正しいものなのか。それは誰でも絶えず自問自答せざるを得ない。
それは、みんな同じだ。どの人生モデルの信奉者でもどんな価値観も持ち主でも、同じことなのだ。
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但しその際に、自己の信奉する価値観を他人に対しても当て嵌めようとする態度はおかしい。
それだけはお互いに共通して言えることだ。「他人は他人、自分は自分」なのだ。
どちらも「お互い様」
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それぞれが信じる価値観に頼ろうとしているのは誰でも同じことだ。同じことをしているのだから「お互い様」である。どちらがどちらに何を言われる筋合いのものではない。
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どの価値観もどの人生モデルもどの生計手段も、どれを信じるのか、どれを選ぶのかは個人の自由だ。自分の納得がいくものに従えばいいだけのことなのである。
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ただし「他人は他人、自分は自分」だ。「どちらにしても何にしても、お互い様」なのだ。
お互いこの点だけは守る。それだけのことなのだ。